「国際ロボット展2023」これまでで最大規模の展示会になりました。工業系用の6軸ロボットが展示の中心である事には変わりませんが参加企業数と各社の展示ブースが大きく広がっています。展示されるロボットのパワーアップしてます、以前は車両のフレームとか部品の一部を持ち上げていましたが、今回は車両一台を丸ごと持ち上げている。
私が注目するのは、6軸ロボットを利用する上でその動きを定義する teaching の方法です。とても重要な作業で動きの設計定義がロボット運用時の作業効率をも左右します。teaching の方法としてティーチングボックスから動きを順に定義する手順型 teaching や 、SLIM(Standard Language for Industrial Manipulators)言語で直接テキストで定義する方法が有ります。
私自身は以前に DENSOロボットの操作プログラミング体験をしましたが、比較的分かりやすい言語であった事とPython言語をラズパイで普段から使っているので楽々でした。但し全てのエンドユーザーにSLIM言語の使い手がいるとは限らないので、ティーチングボックスを使った teaching は有効ですね。
ティーチングボックスよりも簡単な teaching 方法が有ります、FANUC のブースで体験した習字のデモで実際にロボットのヘッドを手で動かして動きを教え込む方法です。ミミック方式と言います、これまではミミック・キットと呼ばれる装置を使い座標の動きをキャプチャしデータを転送してteaching していましたが、今回やっと直接ヘッドを動かす機能が搭載されました、このミミック機能、23年前に特殊映像制作用の Motion Control Camera で操作経験してます、現在、国内では NIKONが扱う英国MRMC社の機材です。
次に注目するteaching 方法は、通信と連動する機能で、1台のロボットにteaching すると離れた場所の別のロボットに各現場に応じた環境変数を取り込んで自動修正して teaching してくれる機能です、これまでの単にプログラムを他のロボットにコピーして teaching することは機能とは言えないです。
更に今どきは、teaching にAIを使って環境変化を自律的に最適化して teaching する方法が期待できます、NVIDIA PCを接続できるDENSOの新しいコントローラーが紹介されていましたが、具体的にどの様にAIを利用するのか楽しみです。
近年、6軸(7軸も展示されてました)ロボットを使ったアプリは、農園ハウスでいちご狩りするロボットなど製造業以外でも使われ始めてますが、小型の機種でも三〇〇万円以上もするので収益率の低い産業での導入は厳しかったのですが、「ワォー!」50万円を切る6軸ロボットが展示されてました。中国のメーカーですがマーケットへの導入の話で担当者と盛り上がりました。精度や耐久性がやや落ちるかも知れませんがコスト比で十分に使える業務領域はあるので、2024年明けから、農業、商業、エンタメ領域に向けて導入コンサルティング提案を思考します。
アンドロイドが登場しそうな生成AIの爆発的な進化ですね、「まだ、6軸?」とか言われそう。
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